海鳴りの島から2

目取真俊のブログです

2008-10-01から1ヶ月間の記事一覧

「風流無談」第16回

「風流無談」第16回 2008年10月4日付琉球新報朝刊掲載 九月九日に大阪高等裁判所で行われた大江・岩波沖縄戦裁判の控訴審を傍聴してきた。すでに報道されているとおり同日で結審したのだが、控訴人(梅澤・赤松)と被控訴人(大江・岩波)双方の弁…

謝花昇没後100年

今日10月29日は謝花昇の没後100年の命日であった。伊佐眞一編・解説『謝花昇集』(みすず書房)によれば、〈午後八時、精神障害の重病化に加えて、慢性胃腸カタルを起こし死去、享年満四三歳(戒名は耕雲軒釈昇道不退位)〉ということだ。1901年…

うないフェスティバル

昨日は午後から那覇市のテンプス館で開かれたうないフェスティバルに行って来た。国際通りに面した広場にテントが設置され、その一つを借りて反住基ネット沖縄もパンフレット販売や監視カメラの写真展示、ビラ配りなどを行った。目の前では首里城祭りのパレ…

セスナ機と一村

M:をぅってぃーやどーきらーアメリカーたーかい、しかまさったーさーや。 S:セスナ機じ墜落しちぇーぬアメリカーたーな? M:救急車からパトカーから消防車からサイレン鳴らち走らち行ちゅせーやー。ウチナーぬむんびけーやあらん、アメリカ軍ぬむぬん…

催し物案内

催し物の案内です。 ☆映画『チェ・ゲバラー人々のために』上映会 日時:10月25日(土) 午後3時~第一回上映 午後6時半~第二回上映 場所:名護市中央公民館2階小ホール(名護市民会館隣の建物です) ※各上映後に新垣誠氏(沖縄キリスト教学院大学准…

「藤岡意見書」(1)を読む

「藤岡信勝意見書」(1)はすさまじい文書だ。これは「意見書」というより怪文書や奇書の類ではないのか。南木隆治氏が自分の管理するブログでUPしなかったのも分かる気がする。余りのすごさにびびってしまったか、これを載せたら物笑いになるとまわりか…

10・21

今朝の琉球新報の論壇に〈「集団自決」・目取真俊氏に反論 隊長命令説は完全に崩壊〉という見出しがついた藤岡信勝氏の投稿が載っている。これにあわせて、自由主義史観研究会のホームページには、藤岡氏が大阪高裁に提出した「沖縄戦集団自決に関する意見書…

〈海岸の近くの家〉

「15年戦争資料@wiki」というホームページに、関西防衛を支える会が発行している「國の支え」に載った梅澤裕氏のインタビューが紹介されている。それを読むと、梅澤氏が興味深い発言をしている。以下に引用する。 〈結局敵が上陸する前の晩に僕たちは…

宮平証言のデタラメさ

宮平秀幸証言の眼目は言うまでもなく、1945年3月25日夜の梅澤隊長と座間味村幹部の対話をそばで聴いていたということだ。しかし、当の梅澤氏が秀幸氏がそばにいたことを「記憶がない」としている。おそらく、藤岡信勝氏が一番困ったのはこのことだろ…

「昌子陳述書について

雑誌『WiLL』11月号に藤岡信勝氏が「完全に破綻した母・宮平貞子」の証言という評論を書いている。宮平秀幸証言の正しさを証明するために、宮平氏の母・貞子氏が書いた『座間味村史 下巻』所収の手記をとりあげ、その「内在的矛盾」を指摘しているのだ…

『あの人は帰ってこなかった』を読む

『父の戦記』より一年ほど前に出された本に菊池敬一・大牟羅良編『あの人は帰ってこなかった』(岩波新書)がある。夫を戦争で失った「戦争未亡人」への聞き取りの記録で、妻・母の銃後の体験を記したものとして、戦後二十年という同じ時期に出された『父の…

『父の戦記』を読む

最近、週刊朝日編『父の戦記』(朝日文庫)を読んだ。文庫本になったのは今年の8月だが、元は1965年に単行本として刊行され、元日本兵の戦争体験記50編が収められている。『週刊朝日』が〈終戦二十周年記念として「父の戦記」を募集〉し、集まった1…

中山発言

三里塚闘争はごね得だの日本は単一民族だの日教組をぶっ壊すだのと、暴言を連発して就任五日で国土交通大臣を辞任するはめとなり、本人の頭と人格がぶっ壊れているとしか思えない中山成彬議員が次の衆議院選挙には出ないことを表明した。当然といえば当然の…

教科書訂正申請

大江・岩波沖縄戦裁判の控訴人側の準備書面(1)~(3)が南木隆治氏のブログに掲載されている。これで双方の準備書面が読めることになったので、裁判に関心のある方はご一読を。 先週9月27日に開かれた県民大会一周年集会で、出版労連中央執行委員の吉…

公開希望

大江・岩波沖縄戦裁判の原告・控訴人(梅澤・赤松)を支援する南木隆治氏のブログは、原告側の準備書面や意見書が載るので、よく利用させてもらっているのだが、大阪高裁に提出された藤岡信勝氏の意見書(2)が9月10日に同ブログに載ったので、早速読ま…